トップメッセージ

ご挨拶

株主の皆様へ

 株主の皆様には、日頃より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

 第84期(2023年4月1日から2024年3月31日まで)は、連結売上高は3,078億円(前期比+1.1%)と増収になりましたが、テレビ広告市況の停滞などもあって営業利益は123億円(同△14.9%)で減益となりました。

 業績面での厳しさはありましたが、当社の価値の源泉である“コンテンツ”の強化に努め、地上波の視聴率は大変好調に推移しました。2023年、年間の個人全体視聴率は全日帯(6~24時)3.6%、プライム帯(19~23時)5.5%で、開局以来初となる2冠を獲得しました。また、2023年度の個人全体視聴率は全日帯(6~24時)3.5%、プライム帯(19~23時)5.3%と、2年連続の2冠を達成することができました。

 当社のコア事業であるテレビ放送事業にくわえ、成長領域と位置付ける各事業の拡大にも精力的に取り組んでいます。インターネットでは、インターネットテレビ局「ABEMA」、有料動画配信サービス「TELASA」、無料見逃し動画配信サービス「TVer」、オウンドメディア(公式YouTubeチャンネル「ANNニュースチャンネル」等)の運用や、動画広告配信プラットフォームを運用する「UltraImpression(ウルトラインプレッション)」など、幅広い取り組みを展開し、業績は順調に推移しております。

 メディアシティでは、臨海副都心の有明南地区にエンターテインメントとテクノロジーが融合する新たな情報発信基地「東京ドリームパーク」の建設を進めています。2026年春の開業を目指し、当期に着工いたしました。新たな情報発信拠点として大きく成長させてまいりますので、ご期待ください。

 また、新たなIPビジネスの開発を目指し、各戦略パートナーとの取り組みも積極的に展開しております。株式会社BookLive、株式会社壽屋の株式を取得、持分法適用関連会社化して関係の強化を図りました。両社とは資本業務提携を行い、良質なIP・コンテンツの共同開発に努めます。くわえて、2024年5月には東映株式会社と新たなパートナーシップを構築していくことを公表しました。両社の強みを活かして、新たなIPやエンターテインメントの開発を行っていきます。

 このように継続的な企業価値の向上に努めておりますが、資本コストや株価を意識した経営を着実に実現していくため、具体的な対応案をとりまとめ、2024年5月開催の決算説明会の場でご説明させていただきました。現在推進する経営計画の「事業戦略」および「財務戦略」を着実に推進していくことにくわえ、株主還元の継続的な強化に努めていく方針です。あわせて情報開示体制を強化する一環として、本年秋頃を目途として新たに「統合報告書」を発行する予定です。

 インターネット広告の台頭などによりテレビ広告市況の厳しさは増しておりますが、当社グループが保有するコンテンツ・IPやコンテンツ制作力の重要性はむしろ高まっています。経営計画で掲げる各種施策を着実に実現し、既存の“テレビ局”を超える進化を加速させ、資本効率の継続的な改善、企業価値の不断の向上に努めることで、株主の皆様のご期待に応えてまいります。

2024年6月

代表取締役会長早河 洋