トップメッセージ

ご挨拶

 株主の皆様には日頃より格別のご高配を賜り厚く御礼申しあげます。

 2019年度は業績改善施策やコストコントロールの末、連結売上高2,936億3千8百万円(前期比△2.7%)、営業利益125億6千5百万円(同△22.3%)をなんとか確保いたしましたが、結果として大変厳しい業績となりました。

 最大の要因はテレビ広告市場全体の急激な冷え込みです。2019年は日本のインターネット広告費が地上波テレビ広告費を初めて超え、テレビが日本のメディアの中軸をインターネットに譲った歴史的な年となりました。テレビ広告市場全体は今、構造的な変化に直面しています。

 これに追い打ちをかけたのが、2020年に入ってからの新型コロナウイルスの感染拡大です。経済活動の停滞をもたらしたことはいうまでもありませんが、ソーシャルディスタンシングを補うためにデジタルツールの利活用が加速度的に進んだ結果、今後は社会全体のデジタルシフトがさらに進んでいくことが予測されます。

 インターネットへのパラダイムシフト、新型コロナウイルスがもたらした社会の変貌、こうした経営環境の構造的な変化の中でも持続的に成長できるよう、テレビ朝日グループではこれまで幾多の手を打ってまいりました。

 インターネット上に新たなマスメディアを立ち上げることを目的に、(株)サイバーエージェントと共同で開始したABEMA(旧称AbemaTV)は1,000万WAU(ウイークリー・アクティブ・ユーザー)を超えるようになるまで成長を遂げました。

 今後急速な拡大が予想されるインターネット動画広告市場を獲り込むため、昨年5月には連結子会社(株)UltraImpressionを立ち上げました。今後テレビ局がインターネット上でも番組・動画コンテンツを配信する機会が急激に増えていく中、テレビ局自体がインターネット上で動画広告を配信できる技術基盤を他のインターネット企業に依存することなく、自前で持つことが極めて重要になります。UltraImpressionは動画広告配信基盤を開発・運用することを目的に設立した会社で、日本のテレビ局としては初めての試みといえます。すでに広告主の皆様にご活用いただいており、将来はテレビ朝日グループを支える重要な資産に成長していくと期待をしております。

 さらに、今年3月には、KDDI(株)の定額型動画配信サービス「ビデオパス」を、KDDI・テレビ朝日の折半出資会社に移管し、4月から新サービス「TELASA」に衣替えしました。近年有料動画配信市場が大きく成長しており、その中でも月額料金で作品を見放題で視聴できる定額型動画配信(SVOD)が有望視される中、当社としてもSVODの本店をようやく確保することができました。KDDIの顧客基盤や5Gをはじめとした技術基盤と当社のコンテンツパワー・メディアパワーを惜しみなく投じて、ABEMAとともに日本有数の動画配信プラットフォームに成長させる所存です。

 メディアを取り巻く経営環境が混とんとする時代において、結果として生き残れるのは、強いコンテンツをつくり続けられる者のみです。テレビ朝日グループは、第80期においてもそのコンテンツパワーを大いに発揮することができました。連続ドラマでは「ドクターX ~外科医・大門未知子~」「相棒season18」「緊急取調室」「特捜9」の4作品が2019年度民放連続ドラマの平均視聴率ベスト5にランクインしました。報道・情報番組では、新型コロナウイルスに関する視聴者のご関心にお応えする努力を続けた結果もあり、「報道ステーション」の年度平均視聴率が5年ぶりの高さを記録したほか、「羽鳥慎一モーニングショー」が初めて同時間帯全局トップを獲得しました。

 このコンテンツパワーにさらに磨きをかけるため、また、生き残りをかけた進化の取り組みを一層加速するため、テレビ朝日グループは2020年度を初年度とする新たな経営計画を策定し、今後はこれをもとに行動してまいります。10年後20年後も視聴者・消費者の皆様に必要とされ続けますよう、株主の皆様のご期待にお応えできますよう、グループ一丸となって尽力してまいります。

 株主の皆様には、ますますのご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。

2020年6月

代表取締役会長・CEO早河 洋