トップメッセージ

ご挨拶

株主の皆様へ

 株主の皆様には、日頃より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

 第85期(2024年4月1日から2025年3月31日まで)は、連結売上高は3,240億円(前期比+5.2%)、営業利益197億円(同+59.7%)、経常利益285億円(同+43.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益258億円(同+50.6%)と大幅な増収増益となり、売上高は過去最高を記録することができました。

 当社グループの価値の源泉である“コンテンツ”の継続的な強化に努め、視聴率が好調に推移したことなどが業績を牽引しました。地上波の年間個人全体視聴率は全日(6~24時)3.5%、ゴールデンタイム(19~22時)5.3%、プライムタイム(19~23時)5.3%で開局以来初となる三冠を獲得しました。また、年度の個人全体視聴率も、全日(6~24時)3.5%、ゴールデンタイム(19~22時)5.3%、プライムタイム(19~23時)5.3%で開局以来初の三冠という快挙を達成しました。あわせてBS朝日についても、年間・年度の視聴率三冠を獲得できました。

 当社の中核事業であるテレビ放送事業に加えて、その他の事業についても各事業の拡大に向けて精力的な取り組みを展開しました。インターネットでは、インターネットテレビ局「ABEMA」、会員数200万人を突破した有料動画配信サービス「TELASA」、無料見逃し動画配信サービス「TVer」、オウンドメディア(公式YouTubeチャンネル「ANNnewsCH」等)や、動画広告配信プラットフォームを運用する「UltraImpression(ウルトラインプレッション)」など、様々なニーズに応えるサービスを提供し、業績は堅調に推移しています。

 メディアシティでは、既にご案内のとおり、湾岸エリアの有明にエンターテインメントとテクノロジーが融合する新たな情報発信基地「東京ドリームパーク」の建設を進めています。2026年春の開業を目指しており、工事は順調に進んでいます。当社がこれまで培ってきた地上波の音楽番組やイベント事業での経験やノウハウなどを総動員して、新しいエンターテインメントビジネスを構築していきます。具体的なビジネスプランについても準備が進んでいますので、今後の展開にご期待ください。

 こうした事業面の取り組みにくわえ、様々な施策により企業価値の向上に努めています。資本コストや株価を意識した経営の実現のため、経営計画で掲げる財務戦略に沿った取り組みを着実に進めています。政策保有株式の着実な縮減を行うとともに、2025年5月からは、30億円・200万株を上限とする自己株式の取得を実施しました。また、サステナビリティの面では、公共性や社会的責任を持つメディア企業として、効果的な人権デュー・デリジェンスの体制構築など「人権」に関する取り組みを重点的に実施しました。

 インターネット広告の台頭などにより当社を取り巻く経営環境は厳しさを増していますが、コンテンツの展開先が増える今、当社グループが制作・保有するコンテンツやIPの重要性は高まりを見せています。経営計画で掲げる施策を実行し、“新しい時代のテレビ朝日”へと着実に進化することで、企業価値の不断の向上に努め、株主の皆様のご期待に応えてまいります。

2025年6月

代表取締役会長早河 洋